ストレスチェック制度を活かすことが重要

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クリニックホーチミン医療

企業が行っているストレスチェックには、さまざまな問題があると言われています。回答票は医師などが行い、本人の承諾なしでは企業側に通知をすることは出来ないと定められています。しかし会社主導で行われている以上、その結果が企業側に漏れてしまう、もしくは結果の通知を企業側に求められたときに、本人が拒否するといった行為で、解雇や配置転換など不当な扱いを受けることになるのではないかという不安はついて回ります。本来のストレスチェック制度では、もし本人にストレスの負荷が認められた場合、医師の意見を勘案して就業上の措置をとることが必要とされています。

しかし有給休暇や産休なども実際は労働者に認められている権限ですが、なかなか好きな時に摂るということは難しいでしょう。ストレスチェック制度による就業上の措置も、実際に行う場合には難しい問題を含んでいるのです。企業側が、メンタルの問題を個人のやる気と認識している場合は特に問題です。やる気を出させようと、より厳しい上司のもとへ配置転換したり、積極的に声掛けを実践したり、そういった行為でさらに本人を追い込んでしまうことも少なくありません。

また、負担の少ない職場へ配置しなおした場合でも、そのことを本人が気にしてしまい、まわりに迷惑をかけていると考えてしまうこともあるのです。そもそもがストレスへの考え方が、国内ではまだまだ認知されていないことが原因とも言えます。最近では新聞やニュースでも過労死やうつ病の話題が取り上げられるようになったため、広く認知はされてきました。しかし実際にその立場になった場合の受け皿がまだまだ整っていないのが現状なのです。

今後、ストレスチェック制度が活かせる社会になっていくかは、企業側の努力と、本人のメンタルヘルスへの関心がカギとなります。今のままでは、この制度自体が空回りしてしまう可能性もあるのです。

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